会長挨拶
日本アレルギー学会 第9回総合アレルギー講習会のご案内
~Total Allergistをめざして~
日本アレルギー学会主催の第9回総合アレルギー講習会を下記の通り開催致します。
アレルギー疾患の患者数は年々に増加しており、本邦では全人口の約2人に1人が何らかのアレルギー疾患に罹患している状況であることから、社会的問題にもなっており、国民の関心は高まる一方です。
2014年にアレルギー疾患基本法が成立し、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、花粉症、食物アレルギーの6疾患について、予防法、症状の軽減、患者様の生活の質の向上や医療の均てん化のため、各自治体においてアレルギー専門病院、拠点病院の設置が推進されました。そして、2020年、日本専門医機構において、アレルギー専門医は日本専門医機構にサブスペシャルティー領域として認定されましたが、新研修カリキュラムでは、内科、小児科、耳鼻咽喉科、皮膚科、眼科の5つの診療科のアレルギー専攻医が、各々の基本領域を超えて同一プログラムで共通の知識・技能・技術を修得することが必須となりました。これは、基本領域で習得した基礎的知識と技能を土台として、気道系、皮膚・粘膜、眼・眼瞼、中耳など広範な臓器を病変とするアレルギー疾患の病態を深く理解するための知識の修得と、各基本領域の専門技能(検査、診断、処置)の修得、さらには原因物質の回避・除去、ステロイド薬・抗アレルギー薬・生物学的製剤、アレルゲン免疫療法(皮下免疫・舌下免疫)などの治療法の習得を網羅することで、Total allergistとしての専門医を育成するということです。
総合アレルギー講習会は2014年の第1回講習会に始まり、毎年順調に実績を重ねておりますが、次回の第9回総合アレルギー講習会は、2023年3月18日(土曜日)、19日(日曜日)の2日間、大阪国際会議場で開催の予定としております。
総合アレルギー講習会は、自分の属する基本領域以外のアレルギー学の知識について最新の多岐にわたる講義と、実習では全ての領域にわたる実際の診療に必要な技術と技能を学べる重要かつ参加必須の会です。専攻医だけでなく既に専門医となっている医師、あるいはすべての医療従事者の研鑽の場になるように工夫していますので、皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。
一般社団法人日本アレルギー学会
第9回総合アレルギー講習会会長
第9回総合アレルギー講習会実行委員会委員長
佐野博幸